相続した不動産を売却する際の流れと注意点

相続によって不動産を取得した場合、そのまま保有するか売却するかを判断する必要があります。売却を決めた場合でも、通常の不動産売却とは異なる手続きが必要となります。本記事では、相続不動産の売却の流れと注意点について解説します。


📌 相続した不動産を売却する際の基本的な流れ

① 相続登記を行う(名義変更)

相続した不動産は、まず被相続人(亡くなった方)から相続人の名義に変更する必要があります。2024年4月から相続登記が義務化され、3年以内に登記をしないと過料の対象となるため、速やかに手続きを進めましょう。

必要書類

  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  • 相続人の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(相続人全員の実印+印鑑証明書)
  • 固定資産税評価証明書

登記の方法

  • 司法書士に依頼(費用:約5〜10万円)
  • 自分で法務局に申請

② 不動産の査定を依頼する

名義変更が完了したら、不動産会社に査定を依頼し、市場価格を把握します。複数の会社に査定を依頼すると、適正な売却価格が見えてきます。

査定のポイント

  • 土地の評価額(固定資産税評価額や公示価格)
  • 建物の築年数・状態(老朽化が進んでいると評価が低くなる)
  • 立地や周辺環境(駅近・商業施設の有無など)

💡 「相続した不動産を高く売るには?」
・更地のほうが売れやすい場合は、建物を解体する
・リフォームするよりも現状渡しで売るほうがコストを抑えられる
・早く売るなら買取、時間がかかっても高く売りたいなら仲介を選ぶ

③ 売却活動を開始する(媒介契約の締結)

不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を始めます。媒介契約には以下の3種類があります。

契約種類特徴
専属専任媒介契約1社のみに依頼。自分で買主を探すことは不可。
専任媒介契約1社のみに依頼。自分で買主を探すことは可能。
一般媒介契約複数社に依頼可能。

相続不動産の売却は、早めに買い手を見つけたい場合が多いため、「専任媒介契約」を選ぶことが一般的です。

④ 売買契約の締結と決済

買主が見つかると、売買契約を締結し、手付金を受け取ります。その後、決済・引き渡しを行います。

必要書類

  • 登記済権利証(または登記識別情報)
  • 身分証明書
  • 固定資産税納税通知書
  • 銀行口座情報

💡 注意点
・契約後に売却をキャンセルすると、違約金が発生する可能性がある
・決済日までに抵当権や差押えがないか確認する

⚠️ 相続した不動産を売却する際の注意点

✅ 1. 相続税と譲渡所得税の関係

相続税の申告期限(相続開始から10カ月以内)を過ぎると、小規模宅地の特例や相続税の取得費加算特例が適用できない可能性があります。

▶ 相続税の取得費加算の特例とは?
相続発生から3年10カ月以内に売却すれば、相続税の一部を取得費に加算でき、譲渡所得税を軽減できます。

✅ 2. 共有名義の場合のトラブル

相続人が複数いる場合、不動産の名義が共有になっていると、売却時に全員の同意が必要になります。遺産分割協議を早めに行い、売却の方向性を決めることが重要です。

💡 対策
・「換価分割」(売却して現金を分配)することでトラブルを防ぐ
・共有者の持分を買取して単独名義にする

✅ 3. 再建築不可・借地権付き不動産の売却

相続した不動産が「再建築不可」「借地権付き」だと、売却が難しくなることがあります。

💡 売却方法の工夫
買取業者に相談(再建築不可でも買取実績のある業者を探す)
隣地所有者に売却提案(隣の土地と一体利用できる場合がある)
借地権の売却は地主の承諾が必要(トラブルになりやすいので慎重に)

🔍 まとめ

相続した不動産を売却するには、相続登記→査定→売却活動→売買契約→決済 という流れを踏みます。しかし、共有名義・税金・物件の条件によっては売却が難しくなるケースもあるため、慎重に進めることが重要です。

「相続した不動産をどうすればいいかわからない…」という方は、専門家(不動産会社・税理士・司法書士)に相談し、最適な売却方法を選びましょう。

名義変更は早めに!
譲渡所得税の特例を活用!
売却前に不動産会社と戦略を練る!

相続不動産の売却をスムーズに進めるために、事前準備をしっかり行いましょう!

墨田区をはじめ、東京・神奈川・千葉・埼玉で不動産売却をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。