法人による一括借り上げ物件の売却時の問題点とは?
不動産投資において、法人による一括借り上げ を活用するケースがあります。
これは、企業や事業者が一棟マンションやアパートを丸ごと借り上げ、社宅や社員寮、事業用施設として使用する契約 です。
このスキームは、安定した賃料収入を得られるメリット がありますが、いざ売却しようとすると契約内容がネックになり、スムーズに売れないケース もあります。
本記事では、法人に一括借り上げされた不動産を売却する際の問題点とその対策 を解説します。
📌 法人による一括借り上げとは?
法人による一括借り上げとは、企業や事業者が物件をオーナーから一括で借り上げ、従業員の社宅・寮、または事業用として利用する契約 のことです。
通常、長期間の契約が締結されるため、安定収入が見込める 一方、売却時には以下のような問題が発生します。
📌 法人による一括借り上げ物件の売却時の問題点
❌ ① 売却後も借り上げ契約が継続する
法人と結んだ借り上げ契約は、売却後も引き継がれるケースが多いため、買主が自由に物件を活用できない というデメリットがあります。
例えば、買主が賃貸経営をしたい場合でも、契約期間中は法人に貸し続ける義務 が発生します。
このため、買主が見つかりにくくなり、売却価格が下がる可能性 もあります。
✅ 対策
🔹 契約内容を事前に確認し、買主にとって不利な条件がないかチェックする。
🔹 契約解除の可否を法人側に相談し、売却前に解除交渉を進める。
❌ ② 法人が賃料を減額するリスク
法人借り上げ契約では、契約期間中に賃料を見直す条項があるケースが多い です。
契約当初は高い賃料で借りていたとしても、法人が業績悪化などを理由に賃料減額を求めてくる 可能性があります。
また、買主にとっても、契約更新時に賃料が下がるリスク はマイナス要因となるため、物件の評価が低くなることがあります。
✅ 対策
🔹 過去の賃料の変動履歴を確認し、賃料の安定性を把握する。
🔹 法人側と賃料見直しの条件について事前に確認しておく。
❌ ③ 借地借家法の適用により契約解除が難しい
法人借り上げでも、借地借家法の適用を受けるケースがあります。
この場合、契約期間満了後も法人側に更新権がある ため、オーナーの都合で一方的に契約を解除することができません。
さらに、法人側が「引き続き借りたい」と主張すれば、裁判にならない限り契約解除が難しくなります。
これにより、買主が自らの運用方針に合わせた活用ができず、売却が困難になる 可能性があります。
✅ 対策
🔹 契約書を確認し、契約解除の条件を明確にする。
🔹 法人側と交渉し、売却に向けた契約変更が可能か相談する。
❌ ④ 買主の融資が難しくなる
法人借り上げの契約があると、買主が金融機関から融資を受ける際に不利になる可能性があります。
金融機関は物件の収益性や流動性(売却のしやすさ)を重視 するため、
✔ 賃料の減額リスク
✔ 契約解除の制限
✔ 買主が自由に運用できない点
がネックになり、融資を受けづらくなる場合があります。
結果として、買主の選択肢が狭まり、売却価格が低くなる ことにつながります。
✅ 対策
🔹 金融機関に事前相談し、法人借り上げ契約が融資にどのような影響を与えるか確認する。
🔹 契約解除が可能であれば、解除後に売却することを検討する。
📌 法人による一括借り上げ物件をスムーズに売却する方法
✅ ① 事前に法人と契約条件の見直しを交渉する
法人にとっても、オーナーが変わることは関係のある話です。
売却を考えていることを伝え、以下の点について法人と交渉するとスムーズに売却できる可能性があります。
📌 交渉のポイント
🔹 契約期間を短縮する。
🔹 賃料の見直しリスクを軽減する契約条件を設定する。
🔹 新しい買主が運用しやすいよう、契約内容を柔軟にする。
✅ ② 法人借り上げのメリットを強調して売却する
法人が借り上げている物件には、安定した賃料収入が期待できる というメリットもあります。
この点を強調することで、長期投資を目的とした買主(投資家)にアピールする ことが可能です。
📌 売却時のアピールポイント
🔹 法人の信用力が高い場合、その安定性を強調する。
🔹 長期契約で収益が確保されていることを説明する。
🔹 過去の賃料推移を示し、リスクを抑えられることをアピールする。
📌 まとめ
法人による一括借り上げ物件を売却する際には、以下のような問題が発生する可能性があります。
🔹 売却後も契約が継続し、買主が自由に活用できない。
🔹 法人側が賃料の減額を求めるリスクがある。
🔹 契約解除が難しく、売却が困難になる可能性がある。
🔹 金融機関の融資審査でマイナス評価を受ける場合がある。
しかし、契約内容を事前に確認し、法人と交渉することで、スムーズな売却が可能 です。
売却を検討している方は、事前準備をしっかり行い、最適な方法で売却を進めましょう!
墨田区をはじめ、東京・神奈川・千葉・埼玉で不動産売却をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。